2009年12月27日日曜日

円周上に7つの点をムラなく並べるには?


円周を12分割して、12時の位置から時計回りに7つの点を並べるとする。

ただし偏りのないようムラなく並べたい。ここで「ムラなく」を、以下のように定義するとする。
  1. 30度が連続しない(そこが密になるから)。
  2. 60度を超えない(そこが疎になるから)。
どんな並べ方があるか。

やってみると14通りの並べ方があるのがわかる。
121314
p091224_01.draw("canvas091224_1", [0, 1, 3, 4, 6, 8, 10]);
p091224_01.draw("canvas091224_2", [0, 1, 3, 5, 6, 8, 10]);
・・⇒・・
p091224_01.draw("canvas091224_3", [0, 2, 4, 6, 7, 9, 11]);
p091224_01.draw("canvas091224_4", [0, 2, 4, 6, 8, 9, 11]);

実は、この円(360度)を音階の 1オクターブと捉えると、7つの点の組み合わせは十二平均律上の 7音の音階と考えることができる。さらによく見ると、14通りとは、長音階(Ionian)を転回した7通りと、旋律的短音階上昇形(Melodic Minor)を転回した7通りの計14である事がわかる。
Lydian AugLydianIonianMelodic Minor
p091224_01.draw2("canvas091226_0", [0, 2, 4, 6, 8, 9, 11]);
p091224_01.draw2("canvas091226_1", [0, 2, 4, 6, 7, 9, 11]);
p091224_01.draw2("canvas091226_2", [0, 2, 4, 5, 7, 9, 11]);
p091224_01.draw2("canvas091226_3", [0, 2, 3, 5, 7, 9, 11]);
Lydian ♭7MixolydianDorianDorian♭2
p091224_01.draw2("canvas091226_4", [0, 2, 4, 6, 7, 9, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_5", [0, 2, 4, 5, 7, 9, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_6", [0, 2, 3, 5, 7, 9, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_7", [0, 1, 3, 5, 7, 9, 10]);
Mixolydian♭6AeolianPhrygianLocrian♮2
p091224_01.draw2("canvas091226_8", [0, 2, 4, 5, 7, 8, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_9", [0, 2, 3, 5, 7, 8, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_a", [0, 1, 3, 5, 7, 8, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_b", [0, 2, 3, 5, 6, 8, 10]);
LocrianAltered
p091224_01.draw2("canvas091226_c", [0, 1, 3, 5, 6, 8, 10]);
p091224_01.draw2("canvas091226_d", [0, 1, 3, 4, 6, 8, 10]);

この14の音階は、以下のように2次元の表の上でグラデーションを構成するように並べる事ができる。

+5p5+4p4M3m3M2m2
Lyd+LydIonMel- 
M7
-Lyd♭7MixDorDor♭2m7
M6
--Mix♭6AeoPhrm6
p5
---Loc♮2Loc-5
p4
----Alt-4
 


円周の図と表を見比べると、表で右上-左下の対角線を挟んで対称の位置にある組が、円周の図でみると逆回転の組になっている。また左回りでも右回りでも対称なのは、Dorian と Mixolydian♭13 で、これらは表の対角線上に来ているのも分かる。

青文字で書いた Ionian の転回形は、一本につながってジグザグに配置され、その両側からMelodic Minor の転回形が挟み込む形に構成される。

なんだか見れば見るほど不思議な気がする。

ちなみに、冒頭の「ムラなく」並べるルールを6音に適用すると Whole Tone Scale になり、8音に適用すると Diminished Scale または Combination Diminished Scale になる。

参考までに書くと、普通のドレミファソラシド(Ionian)を頭の中で思い浮かべることができる人なら(できない人は見たことないが)、上の表で Ionian から始めて少しずつ他のマス目に移動していく形で、割と簡単に14個の7音音階と6音・8音の音階の計17通りの音階を自由に頭の中で鳴らせるようになる。

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