2010年6月7日月曜日

PMBOK と waterfall

ソフトウェア業界にいていろんな人と会話する中で、たまに PMBOK の話題になるが、PMBOK とはウォーターフォール型開発のためのプロジェクト管理手法であって、アジャイル系のプロセス・モデルには馴染まないと思っている人が結構多い。

そもそも PMBOK は、ソフトウェア開発のための知識体系ですらないけど、まずそこからして誤解が多い。

ちなみに、手元の PMP の参考書に載ってるケーススタディを適当に抜き出すと、
  • オリンピック支援チームを収容する建物の建設プロジェクト
  • 映画製作のプロジェクト
  • 郵便局に新しい料金システムを導入するプロジェクト
  • 高速道路を拡幅するプロジェクト
とかだったりする。ソフトウェア開発に限ったものでは全くないし、ましてウォーターフォールとか、なおさら関係ない。

(もしかすると PMBOK 関連の記事をチラ見して、「立ち上げ、計画、実行、監視コントロール、終結」からなる5つのプロセス群に、ウォーターフォールのフェーズ「要件定義、設計、実装、テスト、移行」を勝手に脳内マッピングしちゃったりしてるのかも。)

だからと言ってアジャイルに親和性が高いのかというと、そう言うわけでもない。結局、相当の応用力が要求されるという点では、どんなプロセスモデルを採用しようと変わらない。例えば経営学という知識体系が、どんな会社の経営を対象とするのか問題にしていないのと似ていると思う。

ただし、アジャイル開発者が PMBOK を勉強するのをためらっている理由が、冒頭に書いたような誤解だとしたら、決してそんな事はないので、お勧めしておきたい。プロセスについて日頃から考えている人ほど、面白く感じられると思う。

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