2009年9月18日金曜日

FP2級受験

例えば、「年金試算Webアプリ」、「管理会計パッケージ」、「証券ポートフォリオ管理アプリ」のようなものを作るとなると、それぞれ年金、簿記、証券といったドメインの基礎知識が必要になるが、こういったドメイン知識が無い技術者には、ユーザとの深い会話が難しい。そこで、いわゆる「業務SE」やら「上級SE」なる人達が要件を取りまとめる事が多い。

ところが、こういった方々は、たいてい70~80年代くらいのメインフレームのパラダイムしか知らない元コボラーだったりするので、単に要件を定義してもらうはずが手続き型のステップを書き連ねたドキュメントが上がって来る事がある(困ったことに、彼らの張り切り具合に比例してそうなりがち)。更に、彼らの方が年齢や組織でのポジションが上であることも多く、リーダやらマネージャを兼務している事もあるから、なかなか指摘して矯正しづらい事もある。

で、そんな人たちと協働する開発でも、対象システムはJava や.Netのオブジェクト指向プラットフォームだったりするから、彼らの作った「what」じゃなくて「how」が書かれてしまっている要件定義書から、いったん「手続き」を取り除いてドメインのルールやらファクトやらを逆算・抽出して非公式なメモなんかにまとめてから、折り返して改めてオブジェクト指向の分析設計に入ったりするような非効率的な羽目になる事もある。

本当はこういった無駄な「中間業者」は最小限にして、オブジェクト指向技術者がドメインレベルの話を最短距離でシステムに落とし込めればいいのだけど、そうなると冒頭にも書いたように、まったくの業務素人にはやはり敷居が高い局面も多々ある。

結局、単純な話になるが、ユーザ側の業務エキスパートとの意思疎通の円滑性を担保した上で、なおかつ「業務SE」を排して合理化するには、オブジェクト指向開発者がドメイン知識を予め備えてさえいればいいという事になる。そうすればオブジェクト指向技術者が、モデリングの面でも開発プロセスの面でも一貫して主導権を持つことができ、健全に開発プロジェクトを進めることができる。

と言うわけで数年前から、主なシステム化対象ドメインについて、教科書レベルの基礎知識くらいは、プロジェクトに先立って予め教養として脳に収めておこうと思って勉強しているのだが、門外漢が漠然と「勉強」などと言ってもモチベーションが維持できないので、各種資格の取得をマイルストーンとして用いている。

その一環として、このあいだの日曜日(09/13)、ファイナンシャルプランナー2級の試験を受けてきた。内容は、年金、保険、金融商品、不動産、税金、相続など。学科試験と実技試験があり、実技はいくつかの科目を選択できるが、個人資産相談業務を受けてみた。

持ち帰った問題用紙にメモしておいた回答を、試験団体で公表されている模範解答を見ながら、自己採点してみたところ、学科 36/60(60%)、実技36/50(72%)だった。満点の6割が基準なので、たぶんギリギリ合格だと思う。(学科の方は36点が合格ラインなので、もしもマーキングミスが一個でもあったらダメと言う事になるが・・・)

難しいと言われている実技がわりと簡単で、そうでもないと思っていた学科が物凄く難しく感じられた。まあ仮に学科で落ちても、どんなテストか分かった事だし、1月に再受験すればまず落ちることはないと思う。(今回は、過去問を一度も解かずにぶっつけ本番でトライして、こんなにギリギリの点数になってしまったが、ちょっと追加で勉強すれば1・2割の安全マージンは確保できると思う。)

だいぶ前に取得した簿記2級も合わせて、そろそろ本番のプロジェクトで、知識を使ってみたくなってきた。常々、ドメインの話題をオブジェクトのコラボレーションとしてモデリングするのが、オブジェクト指向の醍醐味のような気もしている事だし。

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