円周を12分割して、12時の位置から時計回りに7つの点を並べるとする。
ただし偏りのないようムラなく並べたい。ここで「ムラなく」を、以下のように定義するとする。
- 30度が連続しない(そこが密になるから)。
- 60度を超えない(そこが疎になるから)。
やってみると14通りの並べ方があるのがわかる。
1 | 2 | 13 | 14 | |
・・⇒・・ |
実は、この円(360度)を音階の 1オクターブと捉えると、7つの点の組み合わせは十二平均律上の 7音の音階と考えることができる。さらによく見ると、14通りとは、長音階(Ionian)を転回した7通りと、旋律的短音階上昇形(Melodic Minor)を転回した7通りの計14である事がわかる。
Lydian Aug | Lydian | Ionian | Melodic Minor |
---|---|---|---|
Lydian ♭7 | Mixolydian | Dorian | Dorian♭2 |
Mixolydian♭6 | Aeolian | Phrygian | Locrian♮2 |
Locrian | Altered | ||
この14の音階は、以下のように2次元の表の上でグラデーションを構成するように並べる事ができる。
+5 | p5 | +4 | p4 | M3 | m3 | M2 | m2 | |||
Lyd+ | Lyd | Ion | Mel | - | ||||||
M7 | ||||||||||
- | Lyd♭7 | Mix | Dor | Dor♭2 | m7 | |||||
M6 | ||||||||||
- | - | Mix♭6 | Aeo | Phr | m6 | |||||
p5 | ||||||||||
- | - | - | Loc♮2 | Loc | -5 | |||||
p4 | ||||||||||
- | - | - | - | Alt | -4 | |||||
円周の図と表を見比べると、表で右上-左下の対角線を挟んで対称の位置にある組が、円周の図でみると逆回転の組になっている。また左回りでも右回りでも対称なのは、Dorian と Mixolydian♭13 で、これらは表の対角線上に来ているのも分かる。
青文字で書いた Ionian の転回形は、一本につながってジグザグに配置され、その両側からMelodic Minor の転回形が挟み込む形に構成される。
なんだか見れば見るほど不思議な気がする。
ちなみに、冒頭の「ムラなく」並べるルールを6音に適用すると Whole Tone Scale になり、8音に適用すると Diminished Scale または Combination Diminished Scale になる。
参考までに書くと、普通のドレミファソラシド(Ionian)を頭の中で思い浮かべることができる人なら(できない人は見たことないが)、上の表で Ionian から始めて少しずつ他のマス目に移動していく形で、割と簡単に14個の7音音階と6音・8音の音階の計17通りの音階を自由に頭の中で鳴らせるようになる。
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