2009年7月21日火曜日

マクロ経済学入門

IT技術者がたずさわるたいていの仕事は、社会制度や慣習の一部をITに置き換えたり、あるいはその隙間にITをはめ込んでいく作業だけど、その社会を動かしている原理は主に「経済」だと常識的に言えるだろう。

だからIT技術者は、社会の仕組みについての知識(我々の業界で言う業務ドメインの知識)はもちろんの事、社会の力学としての経済学についても基礎的な教養として嗜んでいるべきという事になるはず。

というわけで、やや遅い気もするが経済学の勉強を始めた。で、当初の想定では適当な問題集でも解きながら、足りない情報はネットで集めるつもりだったものの、やってみるとネットには意外と良い資料が無い。そこで、入門レベルのものを探しに本屋に行き、日経文庫の中谷 巌著『マクロ経済学入門 (日経文庫)』というのを買って読んでみた。これがかなり良い。

GDPや三面等価の原則について、「何となく分かる気もするけど自信はない」といったレベルから入って、IS-LM曲線、マンデル・フレミング・モデル、AD-AS曲線、フィリップス曲線などについて、かなりスカっと納得した気分になれる。

著者がどういう人なのか良く知らないけど、もともと教えるのが上手いのか、それとも実際に教えてきた経験からツボを熟知しているのか、「だいぶ前のページに出てきたアレ、何だっけ?」といった、ちょっと理解がぼやけて始めた頃に、ちょうど良いタイミングで重要事項が繰り返される。対面して理解度を測りながらレクチャーを進めているような気配りがある。

まあ内容的に入門の入門だから、分かった気になれてしまうってのもあるだろう。それに簡単とは言っても、もう後一回は読んで、さらに問題集も解いて脳に定着させないと、すぐに忘れてしまうだろうし。やっぱ、ちゃんとマイルストーン設定して勉強しないとだめだ。

ちなみに、Amazonで調べてみたら、同著者の入門書で『入門マクロ経済学
』というのもあった。これはもう少し踏み込んだ本格的な「入門書」らしい。あと同じ新書のシリーズのミクロ経済学入門も買ってきて既に読了したが、これもなかなか良かった。また今度書こうと思う。

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