2009年7月12日日曜日

日本語文章能力検定2級合格

6/21に受験した日本語文章検定の2級に合格した。合格率16%という事で、半々くらいの確信しかなかったので、ちょっと安心した。

◆ この検定を受けてみたもともとの動機は、情報処理技術者試験の午後Ⅱ論説の準備をするのが第一だったけど、過去問題を中心に作文練習をしていると、情報処理技術者試験にとどまらず、IT技術者の日常業務全般に良い効果がある手ごたえを感じた。

技術者の仕事には、テクニカルライターではなくとも、かなりの量の作文が含まれるわけだけど、にもかかわらず、作文はおまけのように考えられている節がある。IT技術者の職能とは、プログラムを作成したり、何かを設定したりして何かを動かす事が主であって、作文などは取るに足らない瑣末な事と考えられているから、下手な作文をしても反省しないし、誰も突っ込まないし、したがって上達もしない。

で、それに自覚したとしても、作文練習なんてものすごく億劫だし面倒くさいし、やる気がおきないし続かない。というわけで、モチベーションを維持するために、客観的・合理的なマイルストーンが欲しいわけだけど、この資格がそれにちょうど良かった。身に付けたい作文力の方向性とテストの方向性が、ちょうど良く一致していた。

◆ テストの資料としては、過去問題集と「徹底解明」という参考書を使ったのだが、この「徹底解明」の冒頭に「本書に寄せて」というタイトル書かれている検定の趣旨が、非常に共感できるものだった。

要するに、「文学作品の読解に偏重した現代の日本語教育は、特に国際社会の場においては、実戦力に乏しく教育の効果が乏しい。だから日本語文章能力検定が、その弱点を補完する。」と言っているのだが、国語教育の批判については非常に同意できるものがある。技術者の日常でも、客観的事実と主観・情緒・感想が弁別されていない技術報告を、現場で大人の技術者が書いたりするのを頻繁に見かけるのだが、やはり書くスキルの訓練が本当に不足しているのだろうと思う。

教育に関する専門的な事は分からないけど、日ごろから国語教育は再構成したらどうかと思う。例えば、古典の全体と、現国のうち文学に相当する部分は、「文学」って科目にまとめて、音楽や美術と同じカテゴリに位置づけた上で、芸術系科目として選択制にすべきじゃないのか。

詩や小説は、専門家としてその道に進みたい人を除いて、完全に遊びの世界だから、数学や化学や政経と同じように扱うのはおかしい。そうやって、現国から趣味と遊びの部分を除去した上で、体系立った「書く訓練」を追加増量して、なおかつ「話す訓練」と「議論する訓練」を追加するのが、学問の基礎としても、社会的実践の面でも、どちらにも効果があるような気がする。

◆まあ、 そういった個人的な思いはともかく、とりあえず今回の2級の試験に合格したのは、ちょっと嬉しかったのだが、なんと驚いた事に、次回以降の文検が休止になる事が文検公式サイトでアナウンスされていた。

どうも、例の漢検スキャンダルに関連しているらしく、試験の運営に協力していた漢検サイドが、文検サイドと手を切る事になり、文検協会が立ち行かなくなったらしい。なんとも残念。経歴書に箔をつけるような意図はそもそもなかったから、資格の権威としての面は別にどうでもいいけど、作文練習のマイルストーンがなくなるのがちょっと困る。これは、なるべく早く復活して欲しいが、ちょっと無理っぽい気配もするなあ・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿